Photoshop(フォトショップ) CG講座


人物の着色方法

ver2.10


今まで公開していたCG講座も、内容がかなり古いというか、絵もアレというか、なんていうか見ていて恥ずかしくなった(笑)ので、新しいバージョンに変更してみました。今までの説明に加え、今使っていないテクニックはなるべく少なく、かなり有用だと思われるものについてはボリュームのある?説明をしていきたいと思っています。

なお、JPEGにて保存すると説明用のCGにブロックノイズが乗ってしまうため、主にPNGで保存しています。このため、すべてのファイルを合計すると2MBを越えています。モデムやISDNの方は表示に時間がかかるかと思いますが、頑張ってご覧下さい(^^;
ダウンロードして見られるように、お持ち帰りアーカイブもありますので、こちらも併せてご利用下さいませ。

ここで紹介している方法は、かつみこういちさんやWoodyRinnさんなどのページに紹介されている方法を自分なりにアレンジして使っているものです。ですから、CGの描き方を紹介してくださった方々の手法を真似した箇所が多々あります。CGの描き方を公開してくださった方々にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。



目次
0.いろいろと前準備から
1.フォトショップの画面構造
2.スキャン〜線画修正
3.主線の保護
4.着色
5.レイヤーの結合
6.瞳の着色
7.完成

0.いろいろと前準備から

とりあえず、CGを描く前に必要なものをリストアップしてみましょう。
まずは、必要な機材から。

パソコン

これは必須です。というか、CGを描こう!と思っている方は持っていると思いますから、問題は無いと思います。出来ればメモリはたくさん積んでおきましょう。あと、HDDも速い方が幸せになれます(笑)。
CGを描く上で、ハードウェアのスペックが気になる方もいらっしゃると思いますが、描き方次第でメモリの使用量もかなり異なって来ますから、自分のPCに合わせた方法で描けばそれほどスペックは問題ないかと思います。でも、「速さは力なり」ですけどね(^^;


モニター

これがないと画面を表示できませんから、みなさんお持ちだと思います。ただ、趣味の分かれるところだとは思いますが、個人的にはCGを描くに当たって液晶はあまり好きにはなれません。なぜかというと、コントラストがはっきりしすぎて、色の薄い部分などはほとんど白になってしまう為です。というわけで、ウチはブラウン管派なのであります。


タブレット

CGを描くには必需品だと思います。マウスでも作業出来ますが、タブレットを使った場合の効率向上は凄まじいものがあります。CGを描こう!と思ったが吉日生活、とりあえずタブレットは買ってきましょう。お勧めは定番、Wacomのタブレットですね。大きさはA6、B5どちらでも可です。小さいとCGが描けない…なんてことはありませんので安心してください。


スキャナ

鉛筆などで原画を描いてパソコンに取り込む、という場合に必須です。サイズはA4スキャナで十分でしょう。今では1万円程度で売っていますので、タブレットと併せて購入しちゃうのが良いかと思います。性能は今時のスキャナであれば十分だと思います。個人的にはヒューレット・パッカード社のScanJetシリーズが大好きです(笑)。線画がもの凄くシャープに取れるんですよ、これ。中古で5千円くらいですから、見かけたらコレを買っても良いかと思います(w


プリンタ

描いたものを印刷してにやにやするのに必要です…じゃなくて(笑)、ウチの場合はラフを一度スキャンしてゴミを取って、加工した後に印刷、それをトレス台でトレス…という事をやっていますので、プリンタは必須です。


Adobe Photoshop

ここでの説明は、Photoshop5.5Jをメインにしています。他の6.0や3.5.1、あるいはLEでもあまり方法に違いはないと思います。他のソフトについては、使ったことが無いためにほとんど解りません。ゴメンナサイ。
Photoshopは実売10万円くらいするので、買おうと思ってもなかなか手が届きませんが、Photoshop Elementsなら安価ですので、こちらの方がお勧めかもしれません。

1.フォトショップの画面構造


Photoshop5.5の画面構成

これは私が使っているフォトショップの画面です。通常は1600x1200ドットですが、これだと見にくいので小さくしてあります。一部、標準とは異なるウィンドウ配置になっていますが、気にしないでください(^^;;;。いつもこれで作業していますので、いつもこの配置です。

※Tips:ウィンドウの配置
各ツールのタブをマウスでつまんで外に出す(ドラッグ&ドロップ)と、そのウィンドウが新たに出現します。
カラーとブラシウィンドウはよく使いますので、切替が面倒ですから、別のウィンドウにしておくといいかと思います。

・ツールボックス

領域選択や各種ブラシツールなどを選択するツールボックスです。これらのアイテムにはショートカットキーが割り当てられており、[J]でエアブラシ、[R]で指先ツール、[X]でカラーパレットの入れ替え等ができますので、これらのショートカットキーを使うことによって作業効率が一気に上がります。覚えておくと大変便利です。

・色選択ウィンドウ

カラーを選択するところで、2つの色をパレットに入れて、切り替えて使用することが可能です。RGBの他にHSB、CMYKなどが選択可能です。
私は描き方として、色はすべてRGBのスライダで調節して作っているので、スクラッチパッドや色見本はほとんど利用しません。また、後に説明しますが下のカラーバーを「現在の色」に設定しておくと作業が楽になります。

・オプションウィンドウ

ツールボックスで選択したツールのオプション設定を行います。着色する際の強さやアンチエイリアスの有無、乗算や通常モードでの着色等、ありとあらゆるオプションがありますので、詳しいことはマニュアル等を参照してください。「強さ」のオプションはよく使いますので、とりあえずこれだけ押さえておけば良いかと思います。

・ブラシウィンドウ

各種ブラシサイズを選択します。ツールによっては、あまり大きなブラシサイズを選択するとCPUに非常に負荷がかかって動作がもたることがあります。お使いのパソコンのスペックに応じて、一番使いやすいブラシを決めておくといいかもしれません。

・レイヤーウィンドウ

私はけっこうたくさんのレイヤーを使いますので、大きくのばして使っています。レイヤー、チャンネル、パス等のコントロールはすべてここで行います。


2.スキャン〜線画修正

まず安いコピー用紙などに鉛筆でラフを描きます。ラフを描き終わったら、トレス台を利用して線画をトレスします。この際に、なるべく綺麗に線画を描くことがお勧めです。自分は0.3mmのシャープペンを使っていますが、綺麗にトレス出来ればその後の線画修正作業が大幅に楽になります。

トレスが終わったら、出来上がった線画をスキャンします。この際、スキャナの解像度は300〜600dpiが良いでしょう。大きくスキャンして適当に修正して、あとは縮小すればある程度の線の荒れは勝手に消滅してくれます(^^)。 色はフルカラーである必要はありませんから、グレースケールで十分です。大きくスキャンすると、後に縮小するときに線のゴミなどが消えて綺麗になるという点と、線が細く描けるという利点があります。欠点としてはメモリを大量に消費する、画面 が小さいと耐えられないという点でしょうか。


ラフスケッチと線画修正後

えー、ずいぶんと雰囲気が変わってしまってますが、トレス前とトレス後に線画修正を行ったものの違いです。個人的にラフスケッチの、ラフな線の集合で出来たイラストも味があるというか、独特の雰囲気があって好きなんですよね。トレス後に雰囲気がなるべく変わらないように気を付けているんですが、これがなかなか難しいです。

ラフな線に直接着色するCGの場合、上から乗算レイヤーでがしがし色を塗るだけですが、ここではきちんと線画修正を行ったCGを描いていきますので、頑張って線画を綺麗に直します。というわけで、最初に トレスから始めます。

・ラフスケッチを描く!

がしがし描いて、全体の雰囲気をつかみます。ちなみに、このCG講座で使っている咲耶のCGの場合、元々肩の下くらいまでしか最初は描いていませんでしたので、全体のラフスケッチは無かったりします。参考になりませんねぇ…(^^;;;
ラフスケッチが出来たら、消しゴムを活用し、いらない線を消して、なるべくトレスしやすいように仕上げましょう。あまり不要な線が多すぎると、トレスの際に混乱します(笑

・トレスする!

トレス台を使って、出来上がったラフスケッチを写します。トレス台があると便利ですので、出来れば用意しましょう。1万円くらいだと思います。無い場合には、窓を使ったウィンドウトレス、モニタ全面に白を表示し(壁紙を無くして、背景を白にしても構いません)モニタを使ってトレスするモニタトレスなど、いくらでも代用できる方法はあります。が、めっちゃ疲れますので、出来れば 細かい作業も可能なトレス台が良いかと思います。


トレス台〜

※Tips:使いやすいトレス台?
トレス台といっても、千差万別多種多様だと思います。今使っているのはデリータのA3サイズですが、表面のアクリル板が柔らかくてちょっと不満。ガラス板に変えようか…とか思ってます。トレス台には照明器具が内蔵されていますが、熱を持つのは厳禁です。手が汗をかいてしまうと、原稿用紙が水分を吸って描きにくくなります。
私はデリータのトレス台を改造して、HDDケース用のAC100V→DC12V変換回路を内蔵、蛍光灯の安定器にヒートシンクと空冷ファンを装着して、ケース後部にも排気ファンを装着させて使っています。
購入する際には、発熱にも気を付けた方がいいかもしれません。

・スキャンする!

上の説明にもあるように、300〜600dpiがお勧めでしょうか。ただし、あまりにも大きなサイズで取り込んでしまうと、後で大変なことになりますので、その辺はお使いのPCと相談して決めて下さい。
スキャンする際には、カラーよりもグレースケールの方がメモリを消費しませんので、グレースケールで作業します。着色の時にRGBカラーに変更しましょう。

とりあえず、300dpiのグレースケールでスキャンしてみてください。

・レベル補正する!

レベル補正とは、[ctrl]+[L]を押すと出てくる機能です。「イメージ」→「色調補正」→「レベル補正」でもOKです。この機能を使って、全体のレベルを整えましょう。


レベル補正前と後の違い

レベル補正を行う前と、行った後の違いです。スキャナによって補正が違いますから、スキャンした画像がどのようになっているかはスキャナのドライバによって違いが出ます。が、だいたいは左のような、くすんだ感じになっているかと思います。これをレベル補正で曇っている白の部分を白に 変換します。

レベル補正は簡単に出来ますので、やってみましょう〜。まず、メニューから「イメージ」→「色調補正」→「レベル補正」を選択します。すると、下のウィンドウが出てくるかと思います。


レベル補正

まず1のヒストグラム…というか、変なグラフを見て下さい。右側に山があって、あとはなだらかになっていると思います。これは明るさの分布みたいなもので、要するに線画には白い部分が多いので、白い部分を表す右側が山になっている訳です。
調整方法としては、2の△をマウスで移動し、上のように1の山の左側に合わせて下さい。山になっている部分が、曇っている白い部分になりますので、そこをすべて白に変換します。

2の△を山の左側に調整すると、画像が白くなっているのが確認できるかと思います。変化が無い場合には、プレビューにチェックを入れて下さい。次に、3の▲を右側にずらしてゆき、ちょうど良いところに調整します。最後にOK を押すと、調整した内容が画像に反映されます。

・ブラシでひたすら修正!

そして、一番大変かつここを手抜きすると仕上がりもかなり雰囲気が変わってしまう、線画の修正作業です。ひたすら面倒ですが、地道に行うのが一番でしょう。


修正前と修正後の違い

修正前と修正後です。あまり違いが無いように見えるかもしれませんが、シャープペンのよれよれ線が修正後では無くなっていることがおわかりでしょうか。


ブラシサイズ

ブラシサイズはこのサイズを選択します。3ピクセルのブラシをここでは使っていきます。作業するにあたり、あまり大きいと修正が難しいと思います。
すべて修正をしなくとも、最終的にはかなり小さく縮小するのでほとんど見えなくなってしまいますが、やはり最後の仕上げで見ると線画を整えているのと整えていないのでは綺麗さが変わってきます。こういったところで苦労すると結構出来上がったCGに愛着がわきます(笑

方法としては、まずブラシツール を選択し、[D]を押してパレットを白と黒に変更します。あとは[X]キーで白と黒を変更しながら、ブラシツールにて書き直していきます。ショートカットを使うと、[SPACE]+[ALT]で縮小、[SPACE]+[CTRL]で拡大のルーペツールになりますので、時々全体を見渡してバランスを確認するといいでしょう。

※Tips:線画修正の極意
パスを使う方法や手で描いた線画をパスに変更する方法、他にもいろいろな線画修正方法があるかと思います。それぞれ自分にあった方法を見つけてみるのも、面白いかもしれません。
私は0.3mmのシャープペンで描いたものを600dpiでスキャン、線画の輪郭をパスで抽出したものを(手でアンカーポイントを打つ訳ではありません)epsで保存、600dpiくらいで開いてから縮小して粗を消しています。この際、一度に縮小してしまうと逆に荒くなってしまいますので、80%程度の縮小を繰り返し、そのたびレベル補正で微調整するといい感じになります。

※Tips:覆い焼き/焼き込みツールで強弱を
線画に対して覆い焼き/焼き込みツールを使うことにより、簡単な強弱を付けることが可能です。線を細くしたい箇所などに使うと効果的かと思います。


※Tips:ブラシ?それともエアブラシ?
線画を修正する際、ブラシツールを使うか、エアブラシツールを使うか、好みが分かれるかもしれませんが、自分の場合はブラシツール派です。ブラシツールのほうが筆圧を使ってブラしサイズの変更が出来る為に修正がしやすいこと、それに輪郭がはっきりしている為に、線画をはっきりできることなどがメリットです。



修正後の線画

これが修正後の線画になります。線画をいかに綺麗に仕上げるかで、今後の作業がだいぶ楽になりますから、出来るだけ綺麗に仕上げましょう。縮小やレベル補正などを使うと効率的に修正できますから、試行錯誤を重ねてみることも、上達への近道かもしれません。

線画修正が完了したら、ファイルを保存します。


3.主線の保護

さて、やっと、これから着色に移ります。でも、その前にやっておかなければならない作業があります。それが主線のレイヤー化、要するに主線の保護です。
この作業を行う目的は、着色時に主線が消えないようにすること、パーツ毎にレイヤーを作って着色するので、着色が容易になること、主線に着色がしやすいこと等です。

・どれくらいの解像度にすればいいのか?!

必要に応じて、解像度を変更しましょう。ホームページなどで公開する作品であれば、大きい辺が800ドットもあれば十分ですから、200%の1600ドット程度で作業します。200%にしてあるのは、あとで縮小を行って粗を消す為です。…が、サンプルで使っている咲耶のCGは、A4の350dpiくらいで作業していますので、3000ドットくらいありますので、実際にはもっと大きな解像度で作業しています。

さて、ここで「いったいどれくらいまで縮小すればいいのか?」という問題があります。300dpiでスキャンした場合には、そのままではかなり大きいサイズになっていますから、塗るにもフィルタをかけるにもCPUパワーとメモリを大量に消費してしまい、効率の良い作業が出来ません。

というわけで、勝手に自分なりのガイドラインを決めちゃいました。もちろん、この方法がベストではありませんが、解らない方は参考にしてみてください。

 1:ホームページにて公開したい → 長い方の辺が600〜800ドット程度で十分
 2:印刷した時に、ある程度綺麗に出力したい → 上の倍くらいあるといいかも(150dpi程度)
 3:同人誌用などに印刷所でプリントしたい → 300〜350dpi程度は必要(2000ドット以上〜)

・解像度を変更する!

どれくらいの大きさで作るかを決めたら、その大きさまで縮小します。というわけで、実際に解像度を変更していきましょう。下は解像度を変更するウィンドウです。「イメージ」→「画像解像度」を選択するとウィンドウが現れます。


解像度の変更

ここで、最終的にどれくらいにするか決めたサイズまで縮小します。この際に、「縦横比を固定」と「画像の再サンプル」にチェックが入っているか確認して下さい。特に画像の再サンプルにチェックが入っていない場合には、ピクセル寸法は変更されません。詳しくは nifty@Digital camera の説明がわかりやすいかと思いますのでご覧下さい。

※Tips:縮小は数回にわたって
例えば、いきなり40%に画像を縮小してしまうと、Photoshopの癖のためか、画像が荒くなってしまいます。これを避けるために、70〜80%の縮小を繰り返して、目的の画像サイズまで縮小しましょう。
例えば、2000ドットのCGを800ドットにしたい場合、70%の1400ドットにして、その後70%の980ドットに縮小、その後800ドットにします。その方が遙かに綺麗に縮小可能です…が、イメージがぼけてしまい気味ですので、その辺はアンシャープマスクで調整しましょう。


・背景をレイヤー化する!

画像を縮小したら、線画を保護するために背景をレイヤー化します。


背景のレイヤー化

レイヤーウィンドウで「背景」とかかれた場所をダブルクリックすると、上のようなウィンドウが開くと思います。ここでOKを押して、背景をレイヤーにします。こうすることで、線画のみのレイヤーを作成出来るようになります。
背景をレイヤーにしたら、こんどは線の部分だけを選択します。

・線画のみのレイヤーを作る!


線画部分の選択

※この作業は、画像モードが「グレースケール」でないと行えません ので、注意して下さい。

まず、上記のようにチャンネルを選択して下さい。グレースケールですので、ブラック(K)のみになっているはずです。そして、チャンネルウィンドウの下にある をクリックして下さい。そうすると、白い部分が選択されているはずです。
選択したいのは黒い線画部分ですから、選択範囲を反転します。「選択範囲」→「選択範囲を反転」で反転させて下さい。これで、線画のみを範囲選択することが可能です。

次に、線画のレイヤーを作成します。つまり、透明のレイヤーに線画だけ載ったものを作ります。


線画レイヤーの作成

選択範囲をそのままの状態(線画部分が選択されている状態)にして、レイヤーウィンドウに切り替え、新規レイヤーボタン をクリックしてレイヤーを作成します。次に線画を塗りつぶすために、パレットの色を黒にして下さい([D]キーを押すと黒になります)。パレット変更後、作ったレイヤーを選択して、「編集」→「塗りつぶし」を実行してください。
そうすると、透明のレイヤーに、線画の部分だけ黒く着色されたレイヤーが出来ているかと思います。全体が真っ黒になる場合は、選択領域の反転が出来ていませんので、反転してください(詳しくは上の説明参照)。

選択領域を保持したまま作業を行わないと、線画のみのレイヤーを作ることが出来ません。ミスってしまった場合には、 線画のみのレイヤーを作る!の最初から再度実行してみて下さい。


線画レイヤー

上の画面では、透明部分に線画だけが載ったレイヤーが作られているのが解るでしょうか?
このレイヤーを作ったら、必ず「透明部分の保護」を行って透明部分を保護 します。

※Tips:Eliminate Whiteフィルタを使おう
いちいち面倒なことをしなくても、一発で白い部分を削除してくれる、便利なフィルタがあります。Eliminate Whiteというフィルタなのですが、RGBモードで利用出来るために、かなり便利です。RGBモードで線画をレイヤー化してEliminate Whiteフィルタを実行、透明部分の保護にチェックを行って黒で塗りつぶせば、同様の効果が得られます。
Eliminate Whiteフィルタは、 www.edesign.com にてダウンロード可能です。


4.着色

さて、やっと着色に移ることが出来ました。
ここからは楽しい楽しい着色です(^^)

まず、着色によく使うツールの説明をします。



なげなわツール/  自動選択ツール

選択領域を作る時に使います。自動選択ツールはクリックした周辺を一気に選択範囲に出来ます。パーツ毎のレイヤーを作るときに重宝します。なげなわツールは余分な選択範囲を削除したり、必要なところを追加するのに便利です。自動選択ツールは、オプションウィンドウで選択範囲を20程度に、アンチエイリアスをオンにしておくといい感じだと思います。

グラデーションツール

背景を着色するときに使っています。人物の着色時にはほとんど使いません。 背景などでは「描画色から透明へ」というモードで利用しています。また、リボンとかの簡易的なグラデーション用として使う場合もあります。

エアブラシツール/ ブラシツール

ざっと着色するのに一番使うツールです。塗りつぶしは[ALT]+[DEL]キーで行って、影を付ける場合などに使用します。筆圧を利用すると、エアブラシは濃淡が、ブラシツールはブラシサイズが変更出来ます。

指先ツール

私は人物を着色する際、すべてのグラデーションはこの指先ツールにて行っています。オプションウィンドウで強度を変更して使います。思ったようにグラデーションの強弱が付けられるので便利です。 ただし、かなりCPUに負荷をかけますので、あまり巨大なブラシは使えないという弱みがあります。

覆い焼きツール/ 焼き込みツール

着色した色に対し、彩度を上げたり下げたり、いろいろ出来るツールです。これを使うと光沢などをリアルに表現できます。オプション次第で効果がかなり変わりますから、いろいろと実験してみてください。

※Tips:指先ツールが無い?
指先ツールが無い!という質問が時々あります。これは、Photoshop5.0以降では、指先ツールがぼかしツール、シャープツールと同じツールボックスに収納?されていますので、そのままでは指先ツールは出てこない為です。
ぼかしツールの右下にある三角をクリックすると、隠れているツールが出てきますので、それを選択してください。
Photoshopに付いてくるクイックリファレンスカードを見るのが一番でしょう。
もっとも、指先ツールであれば[shift]+[R]でぼかしツール→シャープツール→指先ツール→ぼかしツール…と切り替えられますから、これが一番です。


それでは、着色していきましょう〜

・パーツ毎のレイヤーを作る!

まず、着色するパーツを自動領域選択ツールで選択します。自動選択ツール を選択して、着色するパーツをちまちまと選択していきます。
ここで、[shift]キーを押しながら領域を選択すると今までの領域に追加され、[alt]キーを押しながら領域を選択すると今まで選択した領域からその範囲が削除されますので、着色するパーツを正確に領域に追加していきましょう。


領域の選択

上の例では髪の毛の部分が選択されているのが解るでしょうか?
髪の毛の部分の選択が終わったら、選択した領域を拡張します。なお、細かい部分まですべてを選択する必要はありません。大きな部分だけでOKです。選択していない箇所は、後ほどブラしツールで塗りつぶします。


領域の拡張

自動領域選択で領域を選択しただけでは、線のグレーの部分が選択されずに残ってしまいます。このため、この範囲に着色しても主線の周りには着色されない領域が残ってしまいます。これを避けるため、選択領域を拡張して着色できるエリアを拡大します。
あまり拡大しすぎると主線からはみ出してしまうため、1ピクセル程度で控えておきます。


髪の毛部分の着色

領域を選択したら、新規レイヤーを作ります。次に新しく作ったレイヤーをクリックしてアクティブにし、 選択領域を維持した状態でカラーパレットを着色する色に変更、[ALT]+[DEL]キーで塗りつぶします。

※Tips:簡単な色の作り方
パレットには描画色と背景色という2つの色があります。これを上手に使うと簡単に色を作成することが出来ます。 カラーバーオプション で、カラーバーの表示を「現在のカラー」を選択します。そうすると、描画色と背景色のグラデーションが出来ると思います。
たとえば肌を着色するとしましょう。背景色に肌色のかなり濃い色を選択し、描画色に淡い肌色を選択します。そうすると、カラーパレットの下のカラーバーにはこの2つの色のグラデーションが表示されます。
着色する際に濃い色を選択する場合、エアブラシツールなら[ALT]キーを押してスポイトツールにして、描画色でそこらへんの色を選択すると自動的に濃い色へのグラデーションが出来ますので、あとはカラーバーから色を選択するだけです。
青い部分を着色するときには濃い青色のように、その色の濃い部分を背景色に設定しておくと作業が楽になります。


カラーバーの設定画面

これで作業完了…といきたいところですが、この前にちょっと行う作業が残っています。それは、領域選択で選択されなかった細かい部分の着色です。
ブラシツール を選択し、塗り残した場所を丁寧に塗っていきます。はみ出したら消しゴムツール で消していってください。作業が終わったら、必ず「透明部分の保護」を行います。


細かい部分への着色

※Tips:わかりにくい色での塗りつぶし
たとえば、肌色で塗りつぶす場合、背景の白と見分けが付きにくい場合があります。そのようなときは、背景を青で塗りつぶしてみましょう。そうすると、塗り忘れた箇所の把握が楽になります。
逆に、暗すぎる色で塗りつぶしてしまうと、線画が見えなくなってしまいますから、作業がしにくくなります。

・いざ、着色する!

さて、すべての髪の毛の部分を着色して、透明部分の保護を行ったら、グラデーションの作成に移ります。まず、ブラシツール を選択して、影になる部分とハイライトの部分を着色します。これは結構いい加減です(^^;
ブラシサイズは場所に応じて変更します。色は基準となる色で全体を塗りつぶし、ブラシツールで明るい色と暗い色の2色を入れていきます。


ハイライトと影の着色

ざっと、こんな感じで仕上げます。ちなみに、上の段階では、ハイライトの部分に覆い焼きツール にて細工?をしてあります。 この覆い焼き/焼き込みツール は便利ですが、多用しすぎるとうーん、って感じになるので注意です。
結構はみ出しているところなどもありますが、気にせずにびしばしブラシツール で塗っていきましょう。こういったセル画的なイメージではなく、ソフトに仕上げたい場合には、エアブラシツール が効果的と思います。

さて、ここまで着色したら、グラデーションの作成です。いろいろな着色方法があると思いますが、わたしの場合には指先ツール を主に使ってグラデーションを表現しています。この方法だと、思うようなグラデが表現しやすいように思いますが、マシンパワーをかなり要求します。ぼかし具合によっては指先ツールでぼかした後にガウスぼかしでさらにぼかす場合もあります。


指先ツールのブラシサイズ

指先ツールはかなりCPUに負荷をかけます。あまり大きなブラシサイズではなぞった後に1秒以上のタイムラグの後に描画されるという状態になってしまいますので、あまり大きなブラシは選択しない方がいいかもしれません。
また、オプションで強度を30%〜50%程度へと、好みの応じて変更してください。

あとはひたすら指先でのばしていきます。どんどんのばして、グラデーションを作ります。


指先ツールによるグラデーション作成

・他のパーツも着色する!

こんな感じで、すべての部分を部分ごとにレイヤー化して(肌なら肌というようにレイヤーに分ける)着色、指先ツールで整えていきます。ほとんどの場合は、髪の毛、肌、服をパーツ毎に分けて着色しています。レイヤーの枚数は、10〜20枚程度でしょうか。


他のパーツも着色

上の状態は、すべてのパーツについてレイヤー化し、着色が終わった状態になります。
このときのレイヤーがどのようになっているかというと…


レイヤー構成

こんな感じになっています。今回はパーツが少ないので、レイヤも少な目になっています。
私の場合には、このあと各パーツレイヤー毎に、影やハイライトなどの調整用レイヤーを作って、いろいろ加工しています。このため、最終的には20〜30枚くらいになってしまう場合が多いですね。

※Tips:レイヤーの順序
上のレイヤー構成図で、髪の毛が一番上に来ているのは、肌の塗装忘れ部分を着色する際に、髪の毛が上だと、はみ出して塗っても髪の毛で隠れてしまうために問題が無い為です。髪の毛と肌は入り組んでいる箇所が多いので、このようにしたほうが肌の塗装が楽になるかと思います。

・線画に着色する

パーツ毎の着色が終わったら、主線の着色を行います。線画が黒のままでは存在感が強いというか、いかにも「描きました!」っていう感じになってしまうので、線画に着色を行い、印象を柔らかくしようというのが目的です。


着色した場合

上の2枚を比べてみると、違いが解るかと思います。上のは黒のままの線画、下が着色した線画になります。線画への着色方法は、線画レイヤーを選択し、透明部分の保護にチェックが入っているか確認します。その後、エアブラシツールを使って、がしがしと塗っていきます。色は付近の色をスポイトツール を使って吸い取った色を、カラーウィンドウで暗い色に変更して着色しています。
着色が終わったら、覆い焼き/焼き込みツールを使って、またはエアブラシで濃淡を付けて調整します。


着色した線画

ちなみに、着色した線画はこんな感じです。
これで、人物の着色は終了です。


5.レイヤーの結合

背景を除いたレイヤーを合成しましょう。このまま背景の着色に移ってもいいのですが、レイヤーを合成したほうがマシンに付加がかからなくて済みますから、合成しちゃいましょう。
まず、新しいレイヤーを作成し、一番上に持ってきます。次に、「イメージ」→「画像操作」を選択して画像操作ウィンドウを呼び出し、そのまま[enter]を押します。そうすると、新しく作ったレイヤーに表示されている画像が合成されているかと思います。この際、 周囲が透明になる状態で行ってください。


画像操作ウィンドウ

また、瞳の部分が透明になってしまっていて、背景が透ける場合もあります。その場合には、レイヤーを1枚作って、適当に白で塗りつぶしておいてください。


レイヤーを合成

合成したレイヤーウィンドウですが、背景が透明になっているのがおわかりでしょうか。
一番下のレイヤーは背景代わりのレイヤーです。合成するさいに、このレイヤーは選択しないように気を付けてください。


6.瞳の着色

さて、全体が着色し終わったら瞳を描き入れます。最初に瞳を書き入れるよりも、この段階で作業を行った方が、全体の修正を兼ねて行えるために楽かと思います。


瞳の着色

ちなみに、上のCGですが、作業途中の段階で保存していなかったために、上段のものは作業途中の状態を再現してあります。このため、色や表現が異なっていますが、ご了承下さい。ちなみに、着色方法自体は同じです。

着色の方法は、だいたい以下の感じです。

1:ベースの色で瞳を着色


エアブラシツールのモードを乗算に変更

まず、エアブラシツール (またはブラシツール )を選択して、オプション画面を開きます。そこで、モードを通常から乗算に変更してください。そうしたら、瞳のベースとなる色を選択し、瞳の部分に着色します。
乗算モードで着色する場合、既に黒く着色されている瞳の周囲の部分を上から塗りつぶしても、影響がありません。これは黒の方が濃い為に、影響を受けないのです。注意すべき点は、一筆で塗らないと、何度も重ねるとどんどん色が濃くなってしまいます。

2:指先ツール で加工する

指先ツールを使って、細部を加工していきます。がしがしとこすって行きましょう。この際、瞳のハイライトになる部分も付け加えておきます。指先ツールは、そんなに大きくない方が作業しやすいかと思います。

3:できあがり

瞳の周囲のライン(まつげ等)も指先ツールで表現して、細部を整えていきます。細部を整えたら完成です。

※Tips:覆い焼きツールを使おう!
瞳の光沢を処理する際に、覆い焼きツールを使うと、ハイライトのまぶしい感じ?が手軽に表現できていい感じです。焼き込みツールで周囲を加工するのもいいかもしれません。


レイヤ構成図

ここまでの作業を行った状態の、レイヤー構成図です。一番上に合成したレイヤが、その下に線画レイヤから背景例やが続きます。


7.完成


完成〜

と、以上で人物の着色はおしまいです。あとは背景を入れて完成となります。 長い間おつきあい下さいまして、ありがとうございました(^^)ノ
このCG講座はとりあえず人物まででおしまいです。あとはそれぞれ素材集を使ってもよし、自分でグラデーションなどを使って背景を描いてもよし、自分にあった方法で背景を入れてCGとして仕上げてください。

自分の場合は、この人物だけのレイヤーをコピーして、新しいファイルとして背景を作ります。その方がレイヤーが少なくてメモリの消費も押さえられますので、お勧めです。

さて、ここまでで人物の描き方は一通り説明した訳ですが、もし解らないことなどの質問や「こうしたほうがいいのでは?」といったアドバイス等がありましたら、お絵かき掲示板に書込をお願い致します。また、このCG講座を見て「役に立った!」などの意見がございましたら、メールを頂けると非常に嬉しいです(^^)

Photoshopというソフト自体、ものすごい力を秘めたツールですので、使い方次第で様々な表現が可能になります。いろんなところで描き方を勉強して、独自にアレンジしていけば自分にあった最強のツールになるのではないでしょうか?


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